東京電力エリアにおける2022年度(令和4年度)の売電価格は、以下のように発表されています。
発電区分 | 2022年度(令和4年度)売電価格 |
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10kW未満 | 17円/kWh |
10kW以上 | 11円/kWh(10kW以上50kW未満) |
10kW未満(住宅用)で17円/kWh、10kW以上(産業用)で11円/kWh(10kW以上50kW未満)です。
改正FIT法に基づきこの価格で、それぞれ住宅用で10年間、産業用で20年間の固定価格による売電が保証されます。
なお、改正FIT法では固定価格による買取期間はどのエリアも同じですが、売電価格は電力エリアによって異なります。
上記表の売電価格はあくまで、東京電力にエリアにおいて適用される売電価格です。
太陽光発電で売電を行うためには、売電価格の確保が必要であり、そのための申込手続きを期限までに行わなければなりません。
以下にその手続きの流れを紹介しますので、確認してみてください。
売電確保のための手続きは太陽光発電設置業者を通じて行いますが、この設置業者は東京電力に事前に登録された業者でなければなりません。
消費者はこの登録設置業者と設置容量を話し合って決定し、その後、消費者から設置業者へ工事を依頼。
設置業者から電力会社へ売電契約の申込み、さらに資源エネ庁へ事業計画認定申請を提出し、認可が下りたら設置工事の開始といった運びになります。
手続きには1ヶ月かかることもあるので、確実に売電価格を確保したいと思うなら、早めに動いたほうがいいでしょう。
また、申込手続きには太陽光発電設備の情報や設置場所の状況を記録した資料、国に事業計画認定申請を提出する際の「登録事項証明書(謄本)」などを用意する必要があります。
電力各社は卒FIT後も余剰電力の売電を続けたい方向けに、電力買取に対応する様々な卒FITプランを提供しています。
ここでは、東京電力が提供している3種類の卒FITプランの内容や加入条件を紹介していますので、参考にしてみてください。
【再エネ買取標準プラン】
卒FIT後も余剰電力を8.0円/kWh(税込)で買い取ってもらえるのが、再エネ買取標準プラン。特別な加入条件などはなく、加入対象エリアなら誰でも契約できます。
既に東京電力へ売電を行っている方は、手続きなしでそのまま売電を行うことができます。
買取単価 | 8.5円/kWh(税込) |
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加入条件 | 栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(島嶼地域を除く)、神奈川県、山梨県および静岡県(富士川以東) |
【再エネおあずかりプラン】
余剰電力を仮想的に預けたとみなし、仮想蓄電を使用電力と相殺して電気代を節約できるプランです。
仮想蓄電サービスにより、蓄電池がなくても余剰電力を自家消費に充当できます。電気料金の相殺は、毎月250kWhまでを限度に、使用電力のうち料金の高い順に行われる仕組みです。
買取単価 | 8.5円/kwh |
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加入条件 | 同一住所で東京電力の「電気の需給契約」と「再エネ発電の受給契約」を締結している |
指定の電気料金プランのいずれかに加入している | |
クレジットカードによる支払いができる |
【定額機器利用サービス(エネカリ)】
毎月定額のサービス利用料を支払うことにより、初期費用0円で蓄電設備が使えるプランです。
昼間の余剰電力で充電を行い夜間に使用するなど、貯めた電気を自家消費して電気代を節約できます。
毎月利用料がかかりますが、故障した場合の修理費はかかりません。また、利用期間満了後、蓄電池は無料譲渡されます。
卒FIT後も安定した売電を続けるためには、年間収支のシミュレーションが欠かせません。
ここでは、東京電力が提供している卒FITプランごとの年間収支をシミュレーションしていますので、比較してみてください。
【前提条件】
買取価格8.5円/kWhを前提にシミュレーションしてみたところ、再エネ買取標準プランの売電収入は、年間で26775円、一ヶ月で2231円になりました。
一方、余剰電力を全て自家消費に回した場合の電気代節約額は、年間で73873円、一ヶ月で6156円になります。
結果、自家消費による年間節約額と売電収入の差額は47098円になるので、売電するより全て自家消費するほうが経済的にはお得です。
【前提条件】
再エネおあずかりプランを活用して、仮想蓄電と使用電気を相殺できる額は、ひと月に5825円で、売電収入は106円ですから、トータルで節約できる額は5931円/月になります。
これにサービス利用料金4000円を差し引くと、月の収入は+1932円です。
そして、月の収支1932円×12ヶ月=23179となり、年間収支は23179円になります。再エネおあずかりプランを利用した場合、年間で23179円の電気代節約が可能です。
一方、余剰電力を全て自家消費に回した場合の電気代節約額は、年間で73874円、一ヶ月で6156円になりますので、節約額と売電収入の差額を考えれば、当プランで売電するより、全て自家消費にするほうが経済的メリットは高くなります。
さまざまな売電の方法がありましたが、電気代の節約額と売電収入の差額や、非常時の利用を考えると、余剰電力は売電するより全て自家消費に回したほうがお得と言えるのではないでしょうか。
もちろん各家庭での事情は異なりますので、自宅にあった方法を選んでください。